こんにちは!バイクで出掛けるアウトドアが大好きなコニタンです。
さて、有名メーカーから電動バイクが次々登場する昨今。今回は電動モビリティを開発するスタートアップを突撃し、試乗、CEOにインタビューしました。
取材させていただいたのは100%電動の原動機付自転車、その名も「KOGUNA」。
今年5月にクラウドファンディングサイトMAKUAKEで目標金額の500%超を達成し、7月7日に一般発売(※)されたばかり。試乗インプレッションもまだ出回っていません。
※東京、神奈川、埼玉、千葉での限定販売.。
そんな「新しい時代の電動モビリティ」を、開発者の声とともに、ご紹介します。
KOGUNAとは?
KOGUNAを初めて見た時の印象は、ペダルもあることから「クラシックなファットバイク」。

そのマットブラックで飾り気の少なく、フラットなボディ、太いタイヤが特徴です。
が、次の瞬間、「ナンバーがついてる??」と不思議な気持ちに。
そう、KOGUNAは自転車として漕いだり、バイクとして速度を出したりすることができる原付なのです。
主なスペックはこちら。
最高速度 | 45km/h |
航続距離 | 60km ※道路状況や荷重量により、航続距離に変化があります |
充電時間 | 3~4時間 |
法区分 | 第一種原付(500W) |
車重 | 約30kg |
フレーム素材 | アルミ合金 |
ブレーキ | (前後)ディスクブレーキ |
サイズ | 全長:1600mm 全幅:740mm 全高:1400mm |
電動アシスト自転車と同じくらいの重さである車体は、ヒョロガリの筆者もひょいと抱えられるほど。これならラダー要らずの超楽々トランポして、現地での足として遊ぶこともできますね。

簡単に言えば、HONDAスーパーカブの元となったモペットの完全電動版といったところでしょうか。
特徴である走行モードは全部で2つ。
1つ目は、電動で漕ぐ力をサポートする「アシストモード」。2つめはアクセルを回して進む「バイクモード」。完全電動のバイクと違って、自力で漕ぐことで走行距離を伸ばすことができます。
ちなみに、アシストモードは5段階あり、数字が上がるにつれ、アシストの割合が増えて少ない力で漕ぐことができます。
もちろん、原付なので、走行モードに関わらず運転免許、ヘルメット着用義務、ナンバー取得、自賠責加入、車道走行が必要になります。
主な利用者は「バイクに乗ったことはないが、日常の行動距離を少し伸ばしたい人」。
例えばメインは通勤に利用し、週末には趣味のアウトドアや、映画鑑賞など街へ出ることを楽しむ、少し遠出をしたいが公共交通機関に縛られるのは嫌という人。
専門性やメンテナンス、維持費などの面からバイクに手を出せずにいる人に、「通勤プラスアルファの豊かさ」を提供する新しい電動モビリティが「KOGUNA」なのです。
拡張性とコストパフォーマンス
自転車とバイクの合いの子であるがゆえ、拡張性とコストパフォーマンスが非常に高いのが特徴です。
カスタムには専用のオプションパーツとして、前カゴ、リアキャリア、指紋認証タイプのチェーンなどが販売されており、今後も拡充予定です。
※公式ショップはこちら。
総重量は130kgまでならパワフルに運べるというので、キャリアを取り付ければソロキャンプなどもできちゃいますね。
また、公式パーツだけでなく、市販のバイクパーツや自転車のカスタムパーツを取り付けることも可能です。
さらに今後は第二種原付(125cc)タイプのモーターを開発予定。その際、モーターは後輪の軸についているので、後輪交換をするだけでボアアップもできちゃうというお手軽さ!

そして構造はほぼ自転車。なので、メンテナンスに専門性を必要とせず、修理・点検を自転車販売店〜バイク販売店まで、幅広く取り扱ってもらえるのがメリットです。
(現在、全国の提携店を拡張中。店舗規模によっては取り扱ってもらえないこともあるので注意です)
オイル交換などのメンテナンスが必要ないので、年間コストは電気代のみ。その電気代も、1充電あたり10円以下で約60kmほど走行可能とかなりの省エネ。これは一般的なガソリンエンジンの原付と比べてもかかるコストは約1/5になる計算です。
また車体に取り付けたまま雨ざらしにして置いておいても大丈夫というバッテリーは毎日1回充電した場合、約5年間使用できます。※寿命は使用状況や気候に左右されます
もし壊れても、別売りのバッテリーをポン付けするだけ。

私も乗ってみました
いよいよ、試乗してみましょう!
跨ったところ、身長170cmの私で、足つきはべったりですが膝はあまり曲がらない感じです。

そのため思ったより視線が高くて爽快感を味わえました。

ハンドル周りについて。右手親指の黒いレバーがアクセル、その奥にペダル走行時の変速ギア、左手のボタンで電源のオンオフ、アシストモード段階を上下させます。
また電子パネルには消費ワット数、アシストモードの段階、速度、バッテリー残量が表示されます。
当たり前なのですが、100%電動ということで、ものすごい静か。試乗コースは世田谷区の住宅街。しかし騒音を気にすることなく、人通りの横をスーイスイ。
また、軽量な車体は、狭い道路でも小回りが効きます。
さらに、タイヤが極太である事による安定感。リジットフレームなのですが、振動は全く気にならず、道路に吸い付くような走り。
また加速の反応が早く、パワフル。上り坂では、傾斜を感じさせないほどの走りを見せてくれました。ただ、アシスト無しの自転車モードだと、車重もあるのか、完全停止からのスタートする際ペダルが少し重く感じました。
アシストモードの4〜5は、少しペダルを踏んだだけで、バイクモードとほぼ同じくらいの加速が可能です。
普段バイクに乗っているユーザーとしては、ペダルを漕いで、アシストモードの段階を上げ、ウインカーを出し、と忙しくしていると「今何に乗っているのかよくわからなくなってきた…」と混乱するワンシーンも。笑
そしてアクセルを回す動作が、親指にあるレバーを押すだけなのですが、バイクの癖でハンドルを捻ろうとしてしまったり、完全に混同していました。笑
とはいえ1周約5分の試乗コースを2周するころには、慣れて「走る楽しさ」に浸ることができました。スイスイ市街地を走る気持ちよさに、ヘルメットの中では思わずニコニコ。「これはバイクでも、自転車でもない。全く新しい乗り物だ。」と、納得です。
試乗について
実際に試乗をして、その軽やかさ、楽しさを味わうことが可能です。
試乗場所は以下2箇所。詳細は公式サイトよりLINEにて登録、メッセージを送信ください。
①Ampere 本社(世田谷区羽根木)
京王井の頭線「新代田駅」 徒歩1分
②Ampere Facrtory(荒川区西日暮里)
JR山手線「西日暮里駅」徒歩7分
京成本線「新三河島駅」徒歩6分
若き開発者
この面白いバイクを作ったのは、今年2月に立ち上がったスタートアップ「Ampere」。電動バイクが多く出回る昨今、輸入販売にとどまる会社が多い中、メーカーとして開発・販売に注力しています。
開発を導くCEO、柴田峻典さん(@ampere_shunsuke)は、なんと大学在学中の21歳。
電動キックボードの会社で、2年間のインターンを経ての創業。工場とのやりとりなど必要なノウハウは、インターン中に学んだといいます。
学生ということもあり、まず資金を調達することが必要だった開発当初は、クラウドファンディングにてKOGUNAを発表。「新しい時代に合った新しい乗り物を作りたい」という熱意はネットを通じて支援者に届き、購入者は日本全国に。
そこから、さらに販路や提携の修理店の開拓、商品の改良を進め、7月の一般販売となったのでした。素晴らしいそのスピード感は、目を見張るものがあります。
※改良の軌跡はMAKUAKEの活動レポートをご覧ください。
「幼少から車輪がついた乗り物はなんでも好きだった」と、楽しそうに話す柴田さんは、二輪という枠に囚われず、今後も「新しい移動のカタチ」を創ってゆくと夢を語りました。
これからも、面白い切り口で、業界を賑わせてくれることを期待したいと思います。
Ampere公式サイト→https://ampere.mobi/ 試乗申し込み→https://ampere.mobi/pages/testride 柴田 峻典さんTwitter→https://twitter.com/ampere_shunsuke