地元住民とライダーを繋ぐ場所“motophonic cafe”を探訪(西東京市)

突然ですが、カフェの起源は、1554年にイスタンブール(トルコ)で出店したコーヒーハウスなのだそうですよ。

ちなみに1554年というと日本では、織田信長が戦で初めて鉄砲を使ったと記録されています(村木砦の戦い)。

コーヒーのアロマフレーバーと鉄砲の硝煙の香り・・・同じ香りでもずいぶんと異質なものですよね。

ところで、バイクの起源はそれらよりもずっと後の1863年になるのですが不思議な事に、バイクの事を話す中には、“カフェレーサー”という言葉や、“砲弾型”と呼ばれるパーツ、あるいは“弾丸ツーリング”などという言葉があったりと、全く関係の無いように思える“カフェ”“鉄砲”といった事象を繋ぎ合わせるフレーズが溢れていたりします。

このように、全く関係の無い事象から“共通点”を見つけるのって、面白いですよね!

どうも、プラムです。

今回は、ライダーズカフェ巡り第2回目として、東京都西東京市の”motophonic café”さんを訪問させていただきました。

お店の名前には何か意味があるの?

入口にある手書きの看板

“motophonic café(モトフォニックカフェ)”“motophonic”って、聞き心地の良い響きだけど、単語としての意味は解らないですよね?

ちょっと気になったので、店主の渡辺さんにお話を聞いてみました。

プラム(以下、「プ」)「モトフォニックカフェのモトフォニックって、どういう意味なんですか?」

渡辺さん(以下、「渡」)「モトフォニックというのは、バイクなどを表す“moto”と、音楽などを表す“phonic”を組み合わせた造語なんです。」

プ「つまり、バイクと音楽といった意味ですか?」

渡「そうです。旦那さんがバイクと音楽が好きで、このお店を始める際にそれらを組み合わせた造語を店舗名にしたんです。」

つまり、「motophonic」は、英語の「motorcycle」やスペイン語の「motocicleta」の略語である「moto」と、音や音楽を表す「phonic」を組み合わせた造語という事なのだそう。

確かに、バイクに関連するアイテムが溢れる店内には、ゆったりとした時間を過ごす事ができるような落ち着いた音楽が流れていました。

ライダーズカフェだけど、ライダーにこだわらない?

趣味とこだわりがギュッと詰まった空間という雰囲気があります

2019年7月にオープンしたこちらのお店は、元々同じ場所で営業していた“グリーンピット”というライダーズカフェが閉店する際に、“グリーンピット”に通っていた店主ご夫婦が“将来的にはライダーズカフェのようなお店をやってみたい”という“夢”を実現するために引き継がれたのだそう。

“引き継ぐ”というと、従来の店のイメージも受け継ぐような感じがあり、重々しいように思えますがそういう訳では無く、あくまで場所と、一部のメニューを引き継いだといった感じだったようです。

このため渡辺さんにお店のコンセプトについて伺ったところ、

渡「一言では言えないけれど、ライダーさんだけじゃなく、散歩しているご近所さんにも気軽に立ち寄ってもらえるお店を目指しているんです。」

と答えてくださいました。

こういう壁掛けは、見ているだけでも楽しいですね

つまり、バイクの駐車スペースがあり、ライダーが気軽に立ち寄れる事はもちろんなのですが、ライダーに限らず色々な方に気軽に立ち寄ってもらう地元に根付いたカフェが目指すところなのだそう。

実際にターゲット層などは無く、女性客や子供、赤ちゃんを連れて訪れるお客さんも多く、年配の方も気軽に立ち寄ってくれるそう。

最高齢の常連さんはなんと81歳の方だとか!年齢性別を問わず訪れる方がいるのは、渡辺さんのお人柄のたまものなのでしょう。

ちなみに渡辺さんのご主人は、土日祝日などにお手伝いに来てくれるそうで、バイクにとても詳しいそうです。

ライダーの中には、そうしたご主人とお話するのが楽しみで訪れる方もいるのだとか。

バイク好きだけが集まるお店というと、それ以外の方はちょっと近寄り難い雰囲気が出てしまったりする場合もありますが、とても柔らかい雰囲気でバランスの良いお店ですよね。

店主、渡辺さんのお人柄は?

老若男女問わず足を運ぶカフェの店主ですから、非常に柔らかい雰囲気を持っています。

話し好きな常連さんに対しては聞き役として接し、食後に一息ついているとイベント情報などのお話をしてくれたりと、人との関わりを持つのが好きな方なのだろうなと感じました。

また、この日は暖かかったため、ドリンクを注文してから外で一服しているお客さんに、“今日は暖かいので外で飲みますか?”と声をかけたりと、臨機応変な気遣いもされていたのが印象的でした。

一方で、店主の渡辺さんは改造されたスーパーカブ110に乗っておられ、ゴールデンウィーク中(取材は4月末)にはこのカブで関西の方まで行く予定を立てているとの事でした!

当然、下道です!

左側のバイクが渡辺さんのカブ110。四角を基調としたテールなので、2012年から2017年あたりのモデルでしょうか?

このように渡辺さんは、柔らかい雰囲気だけでなく、アクティブな一面もお持ちなようですから、渡辺さんのツーリング体験談などを聞きに行くだけでも、訪れる価値ありですよね。

飲み物や料理のお味は?

焼きカレーのセット(サラダとスープが付いています)
手作りプリン(左)とレモンスカッシュ(右)

今回は、主食として焼きカレー(1,200円)、デザートとして手作りプリン(500円)、そしてドリンクに自家製レモンスカッシュ(夏季限定)(550円)をいただきました(全て内税)。ちなみに焼きカレーは、100円引きの小サイズも注文可能です。

まず、味に関しては、どれも美味しかったです。

焼きカレーは、先出の“グリーンピット”さんからレシピを引き継いだ看板メニューの1つで、複数のスパイスが喉と鼻腔を刺激して癖になる味です。

真ん中にはチーズの下に半熟卵が隠れていて、これをよく混ぜて食べると味にまろやかさが加わり、スパイスの刺激を優しく口の中に広げてくれるようになります。

平らに盛られた料理というのは一見すると、量が少ないように見えますが、丼ものと異なり上から下まで同じ面積であるため、食べ進めるとその量が意外と多い事を実感します。

私は普通に食べきりましたが、小食の方や、他の料理も色々食べたい方などは、小サイズを頼まれた方が良いかもしれません。

ちなみに、焼きカレーは注文を受けてから焼き始めるため、料理の提供には時間が掛かりますので、お時間に余裕をもって注文しましょう(焼き時間、約10分:普通サイズ)。

また、この焼きカレーに使用しているカレーを使ったカレーパスタ(1,000円)という料理も人気があるそうです。

そして、カレー以外の料理は、店主の渡辺さんが好きな物を提供しているとの事!

中でもオムナポリタン(1,100円)は人気があるのだとか!

喫茶店メニューのトップを争うオムレツとナポリタンを1つの料理で味わえるとは、なんとも贅沢なメニューですよね。名前を聞いただけで人気の理由がわかります!

そして最近では、レモンパスタ(1,000円)という料理もけっこう人気が高いそうです。

レモンパスタ・・・パスタである事は想像がつくのですが、全体としてはどんな味なのか想像できないですよね!

ヒントとしては、シーチキンを使ったパスタなのだそう。興味がある方は是非、味わいに行ってみてくださいね!

プリンは、昔ながらの喫茶店のプリンといった感じで、なつかしさを感じさせてくれる一品でした。少し固めの口当たりと、甘すぎないプリンとカラメルの苦みが後を引きます。味変に生クリームを一緒に食べると、お腹いっぱいな時でも幸せな気分になれますよ。

この日は天気が良く、気温も25度位まで上昇したため、自家製レモンスカッシュが美味しかった!グラスの底のシロップをかき混ぜていただくのですが、くどく無い甘さと程よい炭酸が満たされたお腹を落ち着かせてくれました。

座席数と駐車スペース

大きな窓越しに愛車を眺めながらゆっくり過ごせます

座席は、二人掛けのテーブル席と三人掛けのテーブル席がそれぞれ3つずつの18席です。

駐車スペースは、バイクや自転車を6~7台停められるスペースがあります。

車は、基本的に停める事ができないのですが、徒歩2~3分のところにコインパーキングがあるので、車でいらっしゃる場合には、そちらに停めていただく事になるそうです。

まとめ

ヘルメットやジャケットを掛けておく場所も完備されています

ライダーズカフェというと駐車場の確保などの理由から、ちょっと不便な立地であるところも多い中、今回訪れた“motophonic café”さんは駅(西武柳沢駅)からも徒歩圏内で、街道沿いの住宅街の一角に店舗を構え、地元住民の憩いの場も担っているようです。

バイクに乗って様々な場所から訪れるライダーと地元住民というのは、同じ時代に生きていながらも日常的には全く関わりの無い人々が多いと思います。

“motophonic café”さんは、そうした全く関わりの無い人々を繋ぐ“共通点”となるような場所ではないかと感じました。こうした”共通点”を探すのって、本当に面白いですよね。

初回訪問時には、4色あるカワイイステッカーの中から1つ、いただく事ができます

住所   :東京都西東京市柳沢1丁目11-6
電話番号 :042-439-5870
営業時間
月-金  :12時から18時
土、日、祝:11時半から18時
定休日  :月、火