コーヒーが大好きですがアレルギーがあり、ゆっくりしか飲めません。ワールドウォークの番頭さん相京です。
クシタニカフェの初出店は箱根の大観山。つづいて静岡の新東名高速道路のパーキングエリアNEOPASA清水、奈良の針テラスとライダーの聖地といえる場所に出店を続けています。
一番最近オープンしたクシタニカフェは阿蘇の三愛レストハウス。大分県と宮城県を繋ぐ「やまなみハイウェイ」の中間に位置し、こちらもライダーが休憩するのに使われる事が多い「聖地」の一つです。
でもクシタニカフェを運営する株式会社クシタニと言えば創業70年を超える老舗のバイク用品メーカー。創業時は街の小さな革製品の店としてスタートし今ではお洒落なテキスタイルジャケットなども製造している「バイクウエアを作っている会社」です。
そのクシタニが何故カフェの出店を続けるのか?気になりませんか?僕はバイクパーツメーカーを率いる身として、
「カフェって儲かるのかしら?バイクパーツメーカーが運営するカフェもありかも・・・」と気になるところ。
気になって仕方がないのでモーターサイクルショーの時に名刺交換させて頂いた同社広報を担当する広報部・櫛谷信夫さんにお話を伺ってきました。
ぶっちゃけクシタニカフェって儲ってるのか?聞いてみた

クシタニカフェ阿蘇の外観
――国内では4店舗目となる阿蘇にクシタニカフェをオープンしたわけですがぶっちゃけカフェって儲かるんですか!?企業の番頭としては気になるところです!
※現在は5店舗目のクシタニカフェが舘山寺にオープンしています。【2019年9月現在】
櫛谷さん「相京さんが思うほどカフェ事業自体は儲からないですよ。僕らはバイク用品を作るプロであって飲食業を切り盛りするプロではないですから」
――そう!それも気になってたんですよ。メニューを考えたり食器を揃えたり素人がゼロから飲食店をスタートするのってすごく敷居が高い気がするんです。それってどうしてるんですか?飲食業のコンサルタントにお願いしてるとか?

クシタニカフェ阿蘇の看板メニューはご当地ホットドッグとのこと!
櫛谷さん「スタートアップ時にメニュー製作はフレンチのシェフに開発を依頼しました。でも食器や什器類に関しては僕達が一から考えて作りました。僕らは物を作る事に関してはプロですから畑が違っても行程に違いはないかなと」
――なるほど・・・でも櫛谷さんのお立場だと従業員を守っていかないといけないわけじゃないですか。儲からないビジネスをやる意味ってあるんですか?
櫛谷さん「例えばクシタニのレザージャケットは町着でも使えます。でも一般の人に見て頂く機会ってあんまりないですよね?バイクに乗っていない人がバイク用品店に行かれる事はないでしょうし、でもクシタニカフェは一般の方も来店されるし店舗を併設しているので見て頂ける機会を作れるのがメリットの一つといえます」
――クシタニのレザージャケットは動きやすかったり保水しない物など特徴的な製品がありますもんね。今は機能性に優れたアパレル製品ってヒットする事が多いですしライダーだけじゃなくて一般の人に見てもらうのは大事なのかも」
ライダーの地位向上にもクシタニカフェの存在は大きい?

こんなインスタ映えスポットも!撮影目当てに訪れる一般のお客様も増えそう♪
櫛谷さん「相京さんはご結婚されていますか?」
――嫁と娘が二人おります
櫛谷さん「相京さんは気にされないかもしれませんが、高速のパーキングとかで革つなぎや革ジャンを着てサングラスをかけているライダーが縁石とかに座って缶コーヒー飲んでたら、奥さんやお子さんは怖いんですよ」
――昔からツーリング先では缶コーヒーとか飲みながらバイク談義に花を咲かすのが普通だったから、確かに僕は何も感じないかもしれない
櫛谷さん「でもお洒落なカフェに座ってユッタリとコーヒーを飲んでいる姿は格好良く見えると思うんですよね。格好良いライダーの姿を世の中の人に見てもらえればバイクに乗って見たいと思ってくれる人が増えるかもしれないじゃないですか。そしたら僕らのジャケットを手に取ってもらえる機会も増えると思うんですよね」
ライダーの事故を減らす為にもクシタニカフェができる事はある

カフェ内には役目を終えたレーシングスーツのバンクセンサー達の展示も
櫛谷さん「ライダーの聖地と呼ばれるところには「あるもの」がつきものなんです。相京さんわかりますか?」
――え、うーーんツーリングの途中にある所だろうから山道とか?
櫛谷さん「そうですね。バイクは目的地へ向かう道自体を楽しめる乗り物なのでワインディングの途中が聖地と呼ばれる事が多いです。でもそういったところでは事故が発生している事も多いんです 」
――あー確かに大観山から伊豆の方に抜ける伊豆スカイラインとかライダーの事故が多くてバイク通行禁止案が浮上してますもんね。
櫛谷さん「そうなんです。だからクシタニカフェのメニューには鎮静効果のあるものとか目に良いものとかを用意していたりするんです。山道の走行とかでテンション上がりすぎちゃった人とかに注文してもらいたいんですよね」
クシタニカフェが儲かる秘訣を聞きにきたつもりが・・・

クシタニカフェのコンセプトにはバイク業界を盛り上げたいと思う人にとっては共感する部分が多かったです
クシタニカフェの出店は施設側からお声がけ頂く事もあるそう。その理由は縁石に腰掛けて大勢で缶コーヒーを飲むライダーに一般の人から苦情が入っていたり、ライダーの事故が多いスポットなので一息入れて落ち着いてほしいという理由があるから。
正直に言えば
「ライダーが沢山訪れるところにカフェを作ったらめちゃくちゃ儲かりました。山の中だから賃借料も抑えれるんで固定経費も安いんですよ!」
みたいな話しが聞けるのかと思っていました。
バイクが走るスポットでは事故なども多くなります。防具としてのウェアメーカーとしてライダー自身が自分を守る。そのようなマインドを高める一環として何ができるかを考えるようになったそう。
「安全にバイクに乗って、無事に家に帰ってもらいたい。」
創業者の櫛谷夫妻の思いは今は孫世代まで引き継がれ安全性の高いウエアを作るだけなく多角的にライダーをサポートし価値観の多様化にも対応しているように見えました。
クシタニカフェ清水に行ってみたよ!

クシタニカフェ清水を外から見たところ。テラス席はかなり広め
僕は神奈川県在住なので一番近いクシタニカフェは清水店。先日浜名湖に取材に行った帰りに寄ってみました。クシタニカフェ清水は新東名高速道路のNEOPASA清水(ネオパーサ清水)内に店舗を構えています。
NEOPASA清水内にはヤマハ車両の展示ブースがありました
こちらのパーキングエリアは「くるまライフ、コミュニティパーク」をコンセプトに作られておりバイクや車が展示されていたり車やバイク関連のイベントが行われる事も多いようです。ちなみにNEOPASA清水は上下線とも同じ施設です。

クシタニカフェはグッズやメニューも充実!
タンブラーやステンレスボトル、エコバックやマグカップなどグッズが充実。

クシタニカフェのテーブルには製品カタログが置いてあった
僕はカフェモカをオーダー。コーヒーの味が詳しくわかるわけではないけど長距離ツーリングでつかれた体には少し甘めのコーヒーがすごく美味しく感じました。ソファー席があって居心地が良かったのでテーブルに置いてあったカタログを見ながらゆっくり休憩しました。
同じ施設内にあるクシタニパフォーマンス清水の様子

クシタニパフォーマンスストア限定タイヤの廃チューブを使った製品が並んでいた

クシタニパフォーマンスストアにはSOTOやモンベルなどのアウトドアメーカー製品も展示

レザーを縫製する為の工業用ミシン

今や希少なモトコンポが展示され周りにはTシャツやパーカーなど一般の方でも使えるアイテムが多数おかれていた
クシタニカフェ5店舗目は舘山寺
■記事作成協力
株式会社クシタニ:広報部・櫛谷信夫さんに取材協力して頂きました。
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