皆様こんにちは いちこです。
前回予告通り、今回はセローのエンジン分解編です。セローのエンジンはまぁ普通の空冷単気筒エンジンでして、入門編にはもってこいだと思います。
構造から言えば、正しいと思いますが、この30年選手のエンジンは違いました・・・
結論から言いますが、私には手ごわすぎて、今回の記事では全然終わりません!(笑) 波乱万丈すぎた…
ではエンジン分解編に突入です。
エンジン分解編その1
さて、エンジンの分解を進めますが、まずは段取りから。やり方というか順番は個人差があるように思いますが、あくまでいちこ流という点を踏まえてご覧ください。
いちこ流エンジン分解順番
まずは左右のクランクケースカバーを外して、クランクシャフト両端、バランサーシャフト、クラッチハウジングというエンジンの中でも一際高いトルクで締結されているナットを先に緩めます。
腰上を外す前にこれらを緩めておくと後が楽です。その後、シリンダヘッド、シリンダを外します。ここまできたら、あとはクラッチやらキックやらフライホイールを外して、クランクケースを割る。という感じです。
というわけで、まずはクランクケースカバーを外します。その前に、横についているスプロケットカバーを外して、スプロケットを取らないと。
はい、ここで事件が起きます。

なめてます。試合開始第一打席初球でデッドボールがきた感じです。ふざけんな。
しかしここは百戦錬磨の素人いちこ。動じません。こんな時の対処方法を知っているからです。

ネジザウルス~!!!
知っていますかこの工具?簡単に言うとネジの頭をつかんで強引に回してしまうという漢らしい工具です。Power is JUSTICE!!!!
・・・・

ダメです。私の握力では無理。
仕方ないので次の手段。

ショックドライバー!!!
この工具はお尻をひっぱたくと、ビット部分が回転します。つまり衝撃と回転を利用してネジを外せる道具です。
バーン!バーン!バーン!!
・・・・
ダメです。そもそもネジがなめているので回りません←うんこやうんこ。
大体この2つの方法でクリアしてきたいちこ、焦っています。開始から1時間。まだボルト1本も外せていません。
仕方がないのでGoogle先生に助けを求めます。
「OK Google 舐めたネジの外し方を教えて」
「すみません。お役に立てません」
万能と思っていたGoogle先生にもできないことはある。仕方がないので藁にもすがる思いでホームセンターに行きました。


ジャン!
なんとネジザウルスの進化商品がありました。「バイスザウルス」&「ネジザウルスバズーカ」(ネーミング可愛すぎんか???)
もうこれに頼るしかねーな。と 買って帰りました。ついでにすき家の牛丼も。お気に入りはネギ玉。
ネジザウルスの実力やいかに??
そもそも持っていたネジザウルスはくぼみが邪魔をして使えなかったため、まずはつかめるように周りをリューターで削りました。
そしてまずはバイスザウルスさんから試してみます。

こんな感じでがっちりつかんでくれています。意を決して回してみます。
ガリっ・・・ボルトが削れました・・・おいいいいぃぃいいぃぃぃぃぃいい
ネジの固着>ネジ自体の固さ となってしまっているらしく、ネジが回る前に削れてしまう結果になりました。これは仕方ない。次!
バズーカ先輩の出番です。こいつにはビットが2つ付属しており、ネジ穴の重症度に応じて使用するものを決めます。当然重症用を用います。
バズーカ先輩はこのビットをネジに打ち込んで、付属のホルダーを使って回すというものですが、そもそもビットを打ち込めるほどネジ穴が生きていませんでした・・・
※すみません写真撮り忘れました。
結局、新規投入のザウルスたちではこのネジはどうにもなりませんでした。※後で大活躍してくれます。
最終手段
いや、本当にやばいです。この時点ですでに3時間以上が経過しています。いまだにボルト1本すら外せていません。つらすぎる。
途方に暮れていたところ、「ボルト溶接したら?」というアドバイスをもらいました。ありがとう父。
しかし溶接したことないので、まずは練習します。ほんと素人って怖いw

万力で適当なボルトをつかんで、その上に新たなボルトを溶接してみます。
溶接機はどこのご家庭にもある100v/200v兼用のアーク溶接機です。
うーん、意外といける!!! ということで早速実践!
※くれぐれも真似しないでください。本当に。

どうです?ばっちりついたでしょ??ビギナーズラックってやつですね。
新たに付けたボルトを回してみます。
・・・!!!回った!!!
なんとか無事に取れました。

ちなみにこのスプロケットカバーは2か所ボルトで固定されていますが、どっちもこの方法で取りました。
ここまでで4時間経過・・・ビーナスラインいけるわ・・・そんだけ時間あったら。
いざクランクケースカバー
これでようやくクランクケースカバー外しに取り掛かれます。記事の最初で偉そうに順番を語っていますが、ようやくスタートです。
クランクケースカバーはネジ山が生きているので電動インパクトでサクサクはずします。
はい。勘のいい方はお気づきですね。このクランクケースカバーボルトは全て+ネジです。はい。なめました。ほんとなんでプラスねじ使うの?


まぁ最悪溶接で取ればいいかなと思いましたが、アルミのケースについているボルトなので、ミスると穴をあけそうです。
スプロケットカバーは樹脂なのでその心配はありませんでした。ここで活躍してくれたのがNewザウルスたちです。

クリアランスがある部分はこのバイスザウルスでがっちり固定!ひねると簡単に取れました!最初の失敗は掴み代の問題だったのかもしれません。しっかり掴めればバイスザウルスは強いです。

クリアランスがない部分はこのザウルスバズーカがやってくれました。ネジ山が完全に死んではいないので、しっかり打ち込んで・・・回す!
はい、取れました!しっかりと押し付けながら回すのがポイントなのかな?内心かなりやばいと思っていた箇所だっただけに、救われました。
ということでなんとか無事にクランクケースカバーを外し終えることができました。
本来なら数十分もあれば終わる作業なんですが、この日はもうこれで精魂使い果たしました。健全なる魂は健全なる肉体に宿る。
ヘロヘロボディに魂など定着しません無理無理。疲れ果ててよく寝られました。
次回こそはエンジン全バラ目指します!!
それではまた次回もお楽しみに~!
Youtubeにも作業様子をUPしましたのでよかったら見てくださいね!
PS
そもそもなんでエンジンのように熱を持ち固着しやすい箇所に+ネジなんて使うんでしょうか?今時のバイクは大体六角になってますよね?この日ほど+ネジに憤りを感じたことはありませんでした。


でもちゃんと取れると逆に愛着が湧く・・・食べちゃうぞぉぉぉぉぉぉぉ