人生でラリーといえばスタンプラリーぐらいしか参加したことがありません。
MOTOZIPをご覧の皆さん、こんにちは!あおです♪
7月23日〜26日まで4日間、北海道の大地をラリー形式で巡る、ノースアイランドラリーというイベントに参加してきました!「ラリーって何?」という超初心者の私からみたイベントのレポートをしたいと思います。
ノースアイランドラリーって?
2020年5月某日。
何気なくいつものようにSNSを見ていてノースアイランドラリーの告知ツイートに目に止まりました。
「北海道で何かバイクのイベントをやるのかな?」と何気なく概要を覗いてみたところ、どうやら北海道の大地を4日間かけて1,500km走るという壮大なイベントのようです。
オフロードを始めたばかりで、北海道のオフロードをもっと色々走ってみたい!!と思っていた私にとって、これは朗報!
今まで走ったことがない道を走れるかも!やったことないことはやってみたい!そして、概要に書かれている「冒険」の2文字に惹かれ、気づけば参加申し込みのボタンを押していました。
そして、申し込みをしてから気づいた「そもそもラリーって何をするの?」
そもそもラリーって何?
ダカール・ラリーの名前は知ってるけど「オフロードを長距離走るレース」という大雑把すぎる認識でした。つまりは何も知らない。
そこでラリーについて調べると
「トリップメーターやマップホルダーを用いて、コマ図で方角を確認しながら定められたルートを進んでいく競技。ライディング技術・ならびにナビゲーション技術が問われる」らしきことが書かれていました。
トリップメーターってバイクについているのでいいの?マップホルダーって何?どこで売ってるの?コマ図とは????と調べれば調べるほど「?」が浮かびます。

コマ図。距離と進む方角が書かれている
これがコマ図。ほぉー。初めて聞く言葉だし、初めて見るものだから一瞬目が点なったけど、よくよく見ると普段から見ている「アレ」に見えてきた。

Googlemap!!!
「Googlemapの曲がり角一覧と同じだ!!」そう思うといきなり見覚えのあるものに見えてきて、なんだかラリーが出来そうな気がしてきました!
マップホルダーとトリップメーターはどこで入手できるかさっぱりわからなかったので、経験者に相談してみることに。
相談をしたのは大阪にあるオフロード専門店ビバーク大阪の代表を務めている杉村さん。世界のラリーに出場経験があるお方です。
快くマップホルダーとトリップメーターを貸していただけることになりました。(ありがとうございます!!)
とりあえずバイクや身の回りのものを準備

ヘッドライトを変えたりオイルを変えたり増し締めしたり
長距離走るので、一通りの基本的なバイクのメンテナンスをしておきました。迷ったのがタイヤの選定。林道を走るならブロックタイヤは最高だけど、距離が長いからトレールタイヤの方が良いのか・・・
うーん。相談したのはSHINKOタイヤの木村さん。
「レースも同じですが慣れているタイヤが良いと思います。直前で変えるのが一番ダメなパターンです」とアドバイス。
確かに、おっしゃる通り。タイヤは今まで履いていたものと同じモデルの新品を履いていくことにしました。
服の選定にも迷いましたが、ここでも使い慣れているものが良いだろうと上はラフアンドロードのラフパーカーを。プロテクター内蔵だから着脱もしやすく軽いため長距離でも体に負担がなさそうという考えでした。
下は動きやすくてバイクが安定するFOXのMXパンツとGAERNEのED-PRO(オフブーツ)ブーツは事前に防水クリームを塗っておきました。

携行品は全てバイクに積み込みました
バッグ類は防水・防塵仕様のENDURISTANで統一。
より身軽になれるように携行品は全てサイドバッグに振り分けるようにして、バックパック等は持たないようにしました。

1日3mにもなる長いコマ図
そして、大会数日前に運営からコマ図一式が届きました。一目見て曲がる方角が分かるようにルートをマーキング。マップホルダーに巻きつけられるようにセロテープで貼り合わせて1枚の長い紙に。1日あたりA5の紙で12〜15枚ほどあるので、3mほどある長いシート状になりました。
これでなんとか準備は整った・・・かな?
色んなことがわからず迎えた当日。1日目314.62km

まるでオフロードバイクの展示会!
車検が終わりずらっと並ぶ黄色いゼッケンをつけたオフロードバイク達。エントリーしたのは計63台。
大半を占めるのは大型アドベンチャー(BMWのGSやHONDAのAFRICA TWINなど)ついでレーサー(MXやED)、そしてトレール(YAMAHA SEROWなど)さながらオフロードバイクの展示会のようです。

SEROW225 RALLY仕様車♪
こちらがラリー仕様になった私のSEROW225。ヘッドライトの上に大きなスクリーンと機械が取り付けられました。
この機械こそがトリップメーターとマップホルダーです!

トリップメーターで総走行距離を測り、コマ図と距離があったところでルート確認。
手元のスイッチでコマ図を動かし、また次のコマ図まで進む、という段取り。
説明を聞いたり、調べたりしたけどいまいちイメージがわきません。まぁ、とりあえずやるだけやってみよう!
ちなみに、このマップホルダーはビバーク大阪の杉村さんに当日の朝に現場で30分で付けていただきました。
ステーやスクリーンやスイッチ類がきちんとつくか確認するために、同じ車両(SEROW225)を購入して取り付け実験までしてくださっていたそう。
しかも、お借りしたのはアフリカやモンゴルのラリーレースでも実際に使用していたものとのこと。そんな貴重なものを・・・!もう頭が上がりません。ありがとうございます。

30秒間隔で1台ずつスタート
緊張の中スタート位置に。こうして4日間に及ぶノースアイランドラリーが始まりました(ようやく本編です!)
1日目からルートは多彩でした。林道・道道・高速道路、こんなところに道があるんだ!というルートをコマ図を頼りに進んでいきます。

チェックシートにWPとCPを通過したことを記録していく
ルートの途中にはWP(ウェイポイント)とCP(チェックポイント)の2つがあって、
WPはクイズ形式で看板に書かれている文字を記入したりして通過を確認するもの。
CPはスタッフさんが立っていて、通過時間を記入してもらうもの。
1日にWRが2〜3箇所、CPが1箇所設けられていて、WP・CP・スタート・ゴールを全て規定時間内にクリアするとゴールドクラスアワードで完走できるという仕組みのようです。せっかくならゴールドクラスアワードで完走したい!密かに目標ができました。

トリップメーターの数値とコマ図の数値が合ったところで方角を変える
ラリーは思っていたよりも忙しい。ライディングに集中するとコマ図を見るのを忘れる。
コマ図をずっと見るのもそれはそれで非常に危ない。(よそ見運転と同じことだからね)
カーナビやスマホのナビと違って自動で進むものではないし、もちろん音声ナビもない。運転に集中しつつ、メーターもたまに確認しながらルートを進んでいきます。
普段と違うセッティングで乗るバイクは運転方法も少し変わります。未舗装路はタイヤの空気圧は高いまま、しかも荷物を積んでいるので普段よりよく滑ります。
そして高速道路はとにかく振動がすごい。スプロケを落としたまま来てしまったので6速アクセル全開でなんとか時速100kmに達するという具合でした。幻の7速に何度入れようとしたか(涙)
1日目はとにかく色んなことに慣れることに尽力しました。

綺麗な景色をみると本当に来て良かったと思う
色んなことがわからず、慣れない中で、それでもなんとかWPとCPを全てクリア。
ルートの最後の方に見えたのは、気が生い茂る林道から急に視界が開けたとても綺麗な場所でした。思わず「わぁっ!」と声を上げる景色は、1日のご褒美のように感じました。
夜はゴール地の旭川のホテルにチェックイン。温泉とジンギスカンで明日に備えます。
だんだんと楽しくなってきた。2日目355.18km
「ラリーって楽しい!!」1日目の朝に感じていた緊張はすっかりと消え去り、2日目は朝からラリーの楽しさに夢中になっていました。
「そろそろ曲がり角があると思うんだけど、どこだろう?」「これかな?」「この先何があるんだろう」
昨日は忙しくて大変だと思っていたマップホルダーの操作やルートの確認も、慣れると退屈させず楽しみを与え続けてくれるものへと変わっていました。

「こっちかな?」
このラリー中に気づいたことがあります。前から自分自身のことを方向音痴だと薄々勘付いていましいた。が、正真正銘まぎれもない超絶方向音痴でした。
ここを曲がる気がする!というところで曲がり、突き当たった先は行き止まり。元のコースに戻り数メートル進んだら正確なルートがそこにありました・・・
「自分を信じるのをやめよう」
私は自分の直感を信じるのをやめてトリップメーターとコマ図を全面的に信頼することにしました。(というかラリーはそもそもそういう競技なのだけれども)

たくさんの牧草ロールがお出迎え!
しばらく進むと見慣れた道が見えてきました。猿払村にある通称・エサヌカ線です。どこまでも続く道路に両側は牧草地、信号もなければ電線もガードレールも無い。
北海道ツーリングの醍醐味を味わえる定番ツーリングスポットです!
そんなエサヌカ線・・・ではなく、その横を並走するダートを走ります。

広大な大地と海の間を走る!
いつも通っているエサヌカ線の横がこんな道になっているなんて知らなかった!あいにくの天気でしたけど、景色の良さを実感するには十分でした。これが晴れていたらどんなに素晴らしい景色だっただろう・・・また絶対に訪れようと心に誓ったのでした。

エサヌカ線を抜けて次に訪れたのは、どこまでも続くダートの直線道路。これだよ!これが北海道の景色だよーっ!!オフロードを始めなければきっとこの景色には出会えなかったと思います。バイクはやっぱり世界を広げてくれます!
コマ図を1つずつクリアしていく達成感。その先にどんな景色が待っているんだろうというワクワク感。この2日間ですっかりラリーの楽しさに魅了されていました。
ここまででもまだルートの半分も来ていません。3日目は480kmの長丁場。果たして無事に完走できるでしょうか。
後編に続きます
YouTube動画はこちらからどうぞ!