【永遠の命題】アライのツアークロスとVクロス買うべきはどちらか比較する

全国1億人のオフローダーのみなさま、こんにちは。

MOTOZIPのけんです!

突然ですがオフローダーの皆さん、ヘルメットってどうしてますか?

オフロードヘルメットは、イケイケな海外ブランドから安心の国産まで無数の種類があります。

大げさでなく、初心者の方はどれを買うか全員悩むものだと思ってます。

 

オフヘルは大きく分けると以下の2種類です。

  1. モトクロスモデル
  2. ツーリングモデル

中でも代表格は国産二大巨頭の1つ、Araiです!

今回比較するのはAraiのV-Cross4(モトクロスモデル)とTour-Cross3(ツーリングモデル)ですが、既に買った人でも「使ってみて比較した」という人はあまりいないと思います。

これはSHOEIのVFX-WR(モトクロスモデル)とHORNET ADV(ツーリングモデル)でも同じ問題があります。

# 私の周りには見た目全振りでモトクロスモデルを買った人も多いです。(私含め)

そこでArai様からTour-Cross3をお借りして、私物のV-Cross4と比較してみました!

Araiの凄さを復習!

私の歴代のAraiたち

ここでAraiの素晴らしさを生粋のArai党の私が語ります。

知ってる人はすっ飛ばしてください。

Araiは(株)アライヘルメットが製造するヘルメットです。

母体となる新井帽子店ができたのはなんと100年以上前の1902年!子会社としてヘルメット事業を分離したのが1976年!

とても歴史の深い会社です。

F1やMotoGP、オートレース、競輪、競馬、ボートレースと各スポーツのトッププロに利用されており、安全性・デザインは折り紙付きです。

特に安全性へのコダワリはブッ飛んでるので是非公式HPを見て欲しい。

私自身、Araiを被って10回以上の転倒を経験していますが、頭に傷を負ったことは1度もありません。

お金もらってないし忖度するわけじゃないけど、本当に凄い。

ちなみにタイやマレーシアなどでAraiを被っていると、現地ライダーから超羨望の眼差しで話しかけられるぞ!

海外ツーリングに持っていくと盗まれそうで怖いのは、欠点かもしれません笑

今回比較するヘルメット

今回比較するのはツーリングモデルのツアークロス3(左)とモトクロスモデルのVクロス4(右)です。

Araiからは上記2モデルのオフロードヘルメットがでており、Arai党はみんな買う時悩むと思います。

そもそもメーカーの説明は以下のようになってます。

(Vクロス4)

MXライダーの集中力を妨げない機能を追及し、闘志溢れるアグレッシブなスタイリングを融合させて生まれた本格的オフロード用ヘルメット

(ツアークロス3)

長く走るほど馴染む心地よさ。~中略~ 進化した被り心地のマルチパーパスヘルメット

簡単に言うと、こんな感じです。

  • Vクロスはオフロードスポーツする人向け!
  • ツアークロスはツーリングもオフロードも(マルチに)使う人向け!

ふむふむ、なるほど。コンセプトはわかりました。

で、どこが違うの?実際使ってどうなの?ってところを詳しく見ていきましょう!

スペックの比較

私の感想の前に、実物を並べてスペックを比較しましょう。

サイズはどちらもLサイズです。

大きさ

パット見の大きさは、縦幅はVクロスの方が大きく、横幅はツアークロスの方が大きいです。

実測の長さはこんな感じ。

縦周り 横回り バイザー(一番長い箇所)
ツアークロス3 87.5cm 89cm 14.5cm
Vクロス4 91cm 87cm 17cm

紐を這わせて長さを計っています。

  • 横周りはツアークロスの方が大きい!
    バイザーの取り付け部がガッシリしている(高速でも負けない)ことや、ベンチレーションが多いためのようです。
  • 縦周りはVクロスの方が大きい!
    呼吸が楽になるよう、口の部分が大きく前に出ているためですね。
  • バイザーの長さはVクロスの方が長い!
    やはりVクロスの方が泥除け性能を重視しているのでしょう。
    逆にツアークロスのバイザーは短いですが、厚くガッシリした造りです。

重さ

重さも実測してみました。

ゴーグルなし ゴーグルあり
ツアークロス3 1,666g 1,795g
Vクロス4 1,600g 1,727g

ただしVクロスにはエアフラップスというゴーグルを浮かせる機構を後付けしています。

エアフラップスが60gほどなので、実際はゴーグルなしで1,540gほどです。

意外にも、100g以下の差でした。ツアークロスにはシールドがあるためもっと重くなると思いましたが…。

Vクロスはゴーグル前提なので、むしろ街乗りならゴーグルなしで乗れるツアークロスの方が軽いと言えます。

ちなみに被ってしまえば軽さの違いは分からないレベルです。

規格

どちらのヘルメットも当然のようにPSC規格、SNELL規格の安全規格を通しています。

SNELL規格に通っていればMFJなどのレースでも使用することができます。

※海外メーカーのヘルメットには、SNELL規格を通っていない製品も多く、MFJマークが必要なレースで使えない場合があります

イケてる見た目だから!で海外ブランドのモトクロスヘルメットを買って大会で使えない!ってのも良く聞きます。

インカム取付

今や当たり前になったインカム!取り付け可否はヘルメット選びの重要な要素になりました。

結果、どちらのヘルメットもインカムは取り付け可能!

特に耳に負担になることもなく、スピーカーを取り付けられます。

オンロードでの比較!

ここからはスペックで見えない、実際に使ってみて比較します!

借り物のツアークロスでオンロード(高速/下道)を100km走ってみました。

寒い時の快適さ。

ツアークロスのシールドは片手で簡単に開け閉め可能!

寒い時の快適さはツアークロスの圧勝!

というか乗ってすぐ衝撃だったのが、ツアークロス寒くない!

いや、何当たり前のこと言ってんだと思うかもしれませんが、Vクロスはシールドがないので、冬は寒さで顔が千切れそうになります

冬は、モトクロスモデルのユーザは目だけが出る帽子(バラクラバ)をヘルメットの下に被っています。いや、マジで。

これはね、モトクロスモデルを使ってる人からしたら革命的な長所ですよ。

強風での快適さ

完全に上を向いても抵抗はあまり感じません。謎の技術である。

こちらもツアークロスが圧勝!

高速道路で100km/h巡航している際、Vクロスだと首を上げたり横を向くとモゲそうになります。

その点、ツアークロスは100km/h程度なら首を動かしても全然大丈夫!

これはバイザーの長さや厚さ、形状のおかげだと思います。

様々な天候への対応

これもツアークロスが勝っていると感じました。

Vクロスで長時間のツーリングに行く際は昼用と夜用で2種類のレンズを持っていきます。

しかしツアークロスなら昼は色付きレンズのゴーグルをして、夜はクリアシールドを閉めて走れば良いだけです。

ゴーグルレンズをツーリング途中で変える煩わしさはありません。

視野の広さ

ゴーグルはスポンジ部分のせいで視野がすこーし狭い

視野の広さもツアークロスが勝っています。

ただ、これはVクロスでも十分に広いです。

ゴーグルにはスポンジがついており、その分視野が狭くなります。(視野に少しゴーグルのフレームが被る)

ゴーグルがない分、ツアークロスの方が広く感じます。

通気性

通気性はVクロスの方が勝っています。

が、誤差の範囲です。夏にツアークロスを使って不快になる!ということはないでしょう。

Vクロスのベンチレーションは開けっぱなしの箇所があり、スポーツでの涼しさを優先しているようです。

Vクロスの方が口も大きく空いているので、息もしやすいです。

ただ、Vクロスを被って大声で歌いながらツーリングをすると口がすぐ乾きます笑

オフロードでの比較!

今度はツアークロスでオフロードを20kmほど走ってみました!

スポーツでの快適性!

さすがにVクロスの圧勝ですね…。

ツアークロスはシールドを閉めたままオフに入ると、息切れしてシールドがすぐ曇ります。

シールド開けっ放しも、安全性を考えるとスポーツ時はNGです!

絶対にオフはゴーグルで走りましょう!

息のしやすさも、口周りにスペースのあるVクロスの圧勝でした。

とはいえ、ツアークロスが息しづらい訳ではないです。

ゴーグルさえつけてしまえば、ツアークロスは普通にオフに使えるヘルメットです!

ゴーグルとの相性

こちらもVクロスが勝っています。

もちろん、ツアークロスにもゴーグルは装着可能ですが、少しコツが必要です。

私の持っているDragonのゴーグルと相性が悪いのか、鼻の部分が干渉してヘルメット内に収まりづらかったです。

鼻の部分から先に入れれば問題なく装着可能ですが、ゴーグルの装着/着脱が楽なのは間違いなくVクロスの方です。

長距離でのオフロード性能

モンゴルでの1枚。こういう長距離走はツアークロスのが向いてる気がする。

これは予想ですが、長距離はおそらくツアークロスの方が良いと思います。

多分、Vクロスは短距離を全力でハアハアしながら走る人向けです。

例えば「超ロングダートを一定速度で長時間走る!」という使い方ならシールドもあるツアークロスの方が快適でしょう。

ゴーグルを1時間つけっぱなしだと目が痒くなるんですよね。気軽に開けられるシールドは羨ましい。

ただ、日本にはそんな平坦ダートは少ないので、やはりオフロードシーンではVクロスの方が圧勝…?

見た目の好み!

林道にはツアークロスが似合う気がする。

ここまで機能の話をしましたが、正直見た目が気に入った方を買っても良いと思います。

私の個人的な意見を言うと、

  • WRのような、「スポーツするぞ!」ってバイクにはVクロスが似合う気がします。
  • アフリカツインやGSのような、「旅するぞ!」ってバイクにはツアークロスが似合う気がします。

 

「用途がツーリングだから…」と言ってVクロスの見た目が好きなのにツアークロスを買うと、街でVクロスを見るたびに「いいなあ…」と思うことになります。

ぶっちゃけVクロスで長距離ツーリングできますし、ツアークロスでオフロードスポーツできます。

見た目が好きな方を買うのが、一番後悔が少ないと思います。

もし、見た目に好みがなく機能重視で選びたい!という人は、前述の機能を参考に買えば間違い無いと思いますよ!

動画もあります!

実際に動画で見ると、色んなパーツをくまなく見られるかも?!

結論

今回の林道は伊豆の年川林道、上池林道です!

オンロードでの長距離移動、ツーリングはツアークロスが勝利!

オフロードでのスポーツは、Vクロスの勝利!

概ね下馬評の通りになりましたが、実際に使い比べてハッキリ分かりましたね!

 

一つ間違いなく言えることは、どっちも素晴らしいヘルメットです。

正直、得意不得意はあれど、どっちでもツーリングできるし、オフロード走れます。

どっちを買っても後悔しないので、いっそどっちも買うってのもアリだと(割とマジで)思いますよ!