復活のメグロ!MEGURO K3の魅力はスペックの向こう側にあった?!

先に宣言しておきます。
「インプレ」と言いつつ個人的な感情100%でお送りします。
バイクは速くてナンボだ!みたいな人は見ない方が良いかもしれません…。

今回インプレするMEGURO K3がこちら!

ぐああ!カッコいい!
言葉で言い表すのは難しいが、バイクを何も知らないギャルが見ても分かる原始的なカッコよさがある!

装備とか細かいことは後で書くけど、まずはこのエンジンの美しさを見てほしい。
近年、水冷エンジンに偽物のフィンを付けることがある。しかし、MEGUROは本物の空冷エンジン、本物のフィンを装備している
もちろん性能を考えると効率的な造りはしていない。細けえことはいいんだよ。かっけえだろ?
では、早速主要装備を見ていこう。

MEGURO K3の主要装備

車体と足つき

車体は全長2195mm、全幅925mmと大柄です。
これは同じカワサキのネイキッド、Z900RS比で全長95mm、全幅60mmも大きいです。
写真からは伝わりづらいですが、一目で大型バイクと分かる重厚感があります

跨るとズッシリした重厚感に包まれます。

足つきは非常に良好。173cmで両足ほぼベッタリです。
それもそのはずシート高は770mmと低め。150cm台後半もあれば何不自由なく乗れると思います。

エンジン(馬力とトルク)

エンジンは4ストローク空冷SOHC2気筒773ccです。
ある程度詳しい人が見ると「昭和か…?」と思うほど古めかしいスペックです。

パワーも52ps/6,500回転、62Nm/4,800回転と昨今のハイパワー大型バイクと比べると圧倒的に非力なスペック…。
車重も221kgと軽くはないため、走りは期待できないか…?というのが乗る前の正直な感想です。

マフラーはキャブトン型の2本出し。こちらも本当に本当に美しい。
当然、厳しい排ガス規制クリアするために触媒が仕込まれているが、見た目から分からない!
カワサキ…どういうマジックを使ったんだ…。実は悪いことをして排ガス規制をすり抜けているのか?とさえ思ってしまう。

足回りとブレーキ

フロントフォークは正立サス(41φ)、リアサスペンションはツインショック。
これまた昭和のバイクのような見た目の足回りです。

フロントはフォークブーツ(蛇腹のゴム)付きの正立仕様!渋い!
今はほぼ見なくなったツインショックのリアサス

ブレーキ周りは一転して令和な装備!
フロントはシングルディスクながら320mmの大口径です。もちろんABSも装備!

リアももちろんディスクブレーキ!ABSも装備!

旧車のような見た目を意識しつつ、要所の装備はキッチリ付けてます。
カワサキはポイントを押さえてて本当にえらい。

灯火類(ヘッドライト/テール/ウインカー/メーター)

メーターは懐かしの2眼アナログメーター!
さすがカワサキ、分かってる。結局ネイキッドはこのメーターが一番テンション上がるんすよ。
見た目はアナログですが、よく見るとABSやETCのインジケーターが付いており先進的です。

ヘッドライトは旧車のような丸目1眼!だけどバルブはLEDです。
見た目を重視しつつ夜の明るさはしっかり確保しています。

テールとウインカーはLEDではありません。おそらく雰囲気重視のためでしょう。
ツーリングで後ろを走ってたらもう現行車とは思えない佇まいです‥。

その他装備

シートは質感のあるブラック。
ホワイトのラインとKawasakiの文字が渋いです!

タンデムバー的なものも標準装備!

ETC2.0を標準装備しています!これはツーリング勢には嬉しい。
スイッチ類も旧車然としてますが、ちゃっかりグリップヒーターを標準装備!
カワサキ純正ヒーターはグリップが細くて見た目が非常に良いです。これは嬉しい装備。

乗った感想(良い点)

見た目への拘りが異常

実車を目の当たりにすると、カワサキの見た目への拘りが異常であると気づきます。
一目で分かるのが下の画像。

お気づきだろうか…。

ロゴ以外は黒とメッキしかないのである。

黒く塗装されたマスターシリンダー
キャリパーやリアサスのスプリングまで黒に塗装されている。
ハンドル本体も黒。ネジまで黒に統一という周到ぶり。

ここまで徹底しているバイクが過去にあっただろうか。
普通は小さな拘りは捨ててコストカットされるのが運命だが、やり抜いたカワサキは凄い。

~60km/hの鼓動がめちゃくちゃ気持ちいい

800ccと聞くと高速道路を走らないと本領を発揮できないイメージを持つが、MEGUROは違う。
~60km/hの下道を低回転でドロドロ走るのがめちゃくちゃ気持ちいいのである。

なんなら30km/hでも気持ちいい。

これは動画を見てほしいが、ノーマルマフラーの音が非常に良い。
カワサキはかなり音に拘ったと思う。少なくとも規制をクリアすることだけを目指して作られたサウンドではない。

ポジションもアップライトなハンドル、前寄りなステップのため楽な姿勢で乗れる。
おそらくMEGUROで早朝の海沿いを走ったら脳みそから汁が出る(と、感じた)。

非常にアップライトなポジション。ここまで手前まで引いた純正ハンドルは初めて見た。

スペック以上に走りは良い

実際に乗ると分かりますが、ワイドにアクセルを開けるとズドドッと地面を蹴って力強い加速をします。
それもそのはず、トルクが4800回転で62Nmのピークを迎える超低回転型です。

つまり、2000~2500回転あたりのトルクがかなり太く、明らかに低排気量とは異なる加速をします。
上まで回さずとも必要十分な加速をする、大人の余裕ムンムンなバイクに仕上がってます。

乗った感想(悪い点)

どこを撮影してもバイクにオジサンが映る

バイクは最高にカッコいいんだ…。
でもカメラで撮影すると必ずオジサン(筆者)が映り込みます。

全身メッキと黒(光沢アリ)のパーツに包まれた美しいMEGUROですが、オシャレして撮影しないと悲しいことになりそうです…。

大型バイクに求める全てをブッチぎるパワーはない

大抵の大型バイクは公道でスーパーカーに近い加速をします。
特にスーパースポーツは「俺より速い乗り物が周囲に存在しない」という優越感があり、これも大型バイクの1つの楽しみでしょう。
…が、MEGUROは大型バイクでは遅い部類です。
たった7,000回転でREDゾーンとなり、ピークパワーはたったの52psです。

10,000回転までブン回して膝を擦る!みたいなことは決してできません。
MEGUROでやりたい人は少ないと思いますが、諦めてください。

動画もあります!

動くMEGUROはこちら!

まとめ!現代スペックの旧車という夢がここにある。

私自身、1988製のSR500という旧車に片足突っ込んだバイクを持っています。見た目は大好きなのですが、正直維持が大変です。パーツが出なくなったり、見られるバイク屋も限られます…。

でもMEGUROは見た目はクラシックなまま、装備だけ最新鋭なのです。
パーツももちろんこの先何年も出ます。カワサキの代理店ならどこでも見てもらえます。
これは本当に素晴らしい。クラシックなバイクに惹かれながらも、維持できないから諦めていた方への救いの手です。
写真だとあまり迫力が感じられないMEGUROですが、実物はオーラが凄いです。ぜひ一度実物を見に行ってみてください!