阿蘇を走るなら…ケニーロードとASOケニーズ・カフェを目指そう!

ケニー・ロバーツを知ってますか? ケニー・ロバーツとはワールドグランプリGP500クラスで1978年から3年連続チャンピオン獲得という前人未到の偉業を成し遂げた伝説のGPレーサーです。

熊本県の南阿蘇には「ケニー・ロード」という名前の道があります。そして「ASO Kenny’s CAFE(ASOケニーズ・カフェ)」というカフェもあります。

偉大な元チャンピオン、ケニー・ロバーツ。実は日本が、そして阿蘇が大好き! ケニーの名前を冠した道やカフェは伝説の元チャンプ「ケニー・ロバーツ」に由来しています。

今回はケニー・ロバーツの偉業をたどると共に、ケニーが愛する南阿蘇の紹介です。実際に何度もケニーに接したASO Kenny’s CAFE(ASOケニーズ・カフェ)オーナー聞いた、素顔のケニー話もラストの方に載せますので、ぜひ最後までお読みくださいね。

ケニー・ロバーツとは偉大な元チャンプ、伝説のGPレーサー

【引用:Kenny Roberts 公式Facebook

1951年、アメリカのカリフォルニア州で生まれたケニー・ロバーツ。若い頃はアメリカ国内のダートレースで名を馳せました。その後ロードレーサーに転身します。
そして日本のヤマハと契約を結びワークスライダーとして世界のレースに参戦。そこから数々の伝説が生まれるのです。

3年連続GP500チャンピオンという偉業を成し遂げる

【引用:Kenny Roberts 公式Facebook

若くして世界のGPレースへと打って出たケニー・ロバーツ。初めてGP500クラスに参戦した1978年、いきなり年間チャンピオンに輝きます。
そしてワールドグランプリGP500クラスで1978年から3年連続してチャンピオン獲得。ケニーより前に このような偉業を成し遂げたレーサーはいません。
ケニー・ロバーツが「キング(王様)・ケニー」と呼ばれるゆえんです。

ライディング・スタイル「ハング・オフ」を大成させた

【引用:Kenny Roberts 公式Facebook

オンロード・レースで、今では当たり前となったライディング・スタイル「ハング・オフ」。このライディング・スタイルを大成させたのはケニー・ロバーツです。
ケニーが世界のGPレースに参戦し始めた1970年代…当時のレーサーの多くはコーナーリングの際、従来のライディングフォーム(主にリーン・ウィズ)でコーナリングをしていました。
しかし、ケニーは腰をイン側にずらし、尻を落とす独特のスタイル「ハング・オフ」でコーナーリングしたのです。ハング・オフとは日本語でぶら下がるという意味です。
重心をイン側に落とすことにより、安定してコーナーリングできるハング・オフ。ケニー・ロバーツはこのライディングスタイルで勝利を積み上げていきます。
以来、多くのライダーがケニーと似たスタイルでコーナーリングをするようになりました。

現役引退、監督、そしてレジェンド

【引用:Kenny Roberts 公式Facebook

1983年に現役を引退したケニー・ロバーツ。その後はワークスチームの監督として活躍します。ウェイン・レイニーやランディ・マモラなど多くのレーサーを育て、実績を残しました。
中でもウェイン・レイニーはケニーと同じようにGP500クラスで3年連続チャンピオンに輝きます。ケニー・ロバーツは指導者としても一流であることを証明したのです。
現役時代も監督としても、ケニー・ロバーツは伝説としてロードレースの世界に名を刻みました。

ケニー・ロバーツのエピソード

【引用:Kenny Roberts 公式Facebook

「キング・ケニー」と呼ばれたケニー・ロバーツ。彼には数々の興味深いエピソードがあります。

現役引退後に耐久レース参戦

【引用:Kenny Roberts 公式Facebook

ワールドGPから現役引退後の1985年、鈴鹿8時間耐久レースに日本のエース平忠彦とペアを組み参戦します。レース終盤のマシントラブルで優勝こそ逃したものの、リタイアするまでは ぶっちぎりの独走状態。
引退しても「キング・ケニー」は速かった!

巨大なモーターホームをレース場に持ち込むスタイルは、ケニー・ロバーツが始めた

ケニーはレース場に巨大なモーターホームを持ち込み、ワールドGPレースを転戦しました。レース期間中はサーキットで生活し、レースに集中したのです。
それまで多くのレーサーは近辺のホテルなどに宿泊していました。ケニー以降、モーターホームでレース生活をするスタイルが主流となっていきます。
あるとき、ライバルがケニーより大きいモーターホームをサーキットに持ち込みました。負けん気の強いケニー…次のレースではライバルより大きいモーターホームを買ってレース場に持ち込んだそうです。

伝説のチャンプ、ケニー・ロバーツの素顔

【阿蘇ツーリングに出発直前のケニー…画像提供:ASOケニーズ・カフェ】

ワールドGPレースにおいて偉業を成し遂げたケニー・ロバーツ。「キング」と呼ばれるケニーですが、その素顔は意外にも気さくで人懐っこく お茶目です。

キングは日本が大好き!そして熊本も阿蘇も大好き!

【ケニーと仲間達…画像提供:ASOケニーズ・カフェ】

ケニー・ロバーツの奥様は熊本県ご出身の日本人です。コロナ禍の前までは、1年に1回のペースで熊本に来ていました。
そしてある年、熊本県の阿蘇をバイクで走る機会に恵まれたケニーは阿蘇の景観や道に魅了されてしまったのです。

南阿蘇の道に「ケニーロード」が誕生した

【西原村のケニーロード標識…テンション上がる!】

南阿蘇の通称グリーンロード南阿蘇(阿蘇郡南阿蘇村と西原村を結ぶ道路)をケニーは特に気に入りました。ケニーは来日すると、この道をバイクで走るために、わざわざ時間を作って南阿蘇へ やって来るそうです。地元自治体はグリーンロード南阿蘇を「ケニーロード」と命名し現在に至ります。
今やケニーロードは多くのライダーが県内外から集まり、ライディングを楽しむ人気のワインディング・ロードです。ワインディングはもちろん、抜群の絶景も楽しめる道です。

【ケニーロード展望所から臨む阿蘇五岳】

ケニーロードの地図はこちら

ケニーの名前を冠した「ASO Kenny’s CAFE(ASOケニーズ・カフェ)」

【明るい店内にはケニー関連の展示品がいっぱい!…画像提供:ASOケニーズ・カフェ】

ケニーの名前を冠した「ASOケニーズ・カフェ(ASO Kenny’s CAFE)」は熊本県阿蘇郡の高森町にあります。
とても広い敷地と明るい店内。それもそのはず、ASOケニーズ・カフェは、廃校となった小学校を改造してオープンしたカフェなのです。
カフェの中や校長室跡には、ケニーから寄贈された数々のケニー・アイテムが展示してあります。マニアにはたまらない、ヨダレが出そうな品々がいっぱい!
カフェの名前を『ケニーズカフェ』にすることについて、ケニーは即答で快諾してくれたそうです。
実際に何度もケニーに接したASOケニーズ・カフェのオーナーによれば…ケニーはとても気さくでお茶目。

カフェのガーデンでケニーを囲んでバーベキューをしたとき、ケニー自ら軍手をして肉を焼いて参加者に振る舞っていたり…
イタズラ好きのケニー…オーナーの肩をいきなり強烈な握力で揉んで、痛がるオーナーの姿を見て喜んでみたり…
ケニーを歓迎するガーデンBBQパーティのとき、ケニーは一緒にいた同伴者やスタッフに対し『みんな、たくさん食べて飲んでくれ!ただし代金はちゃんと払うんだよ。俺は払わないけど。』と言って笑っていたそうです。

キングと呼ばれた方なのに、かなり気さくでお茶目ですね。
カフェのオーナーさんから他にも色々な「ケニー裏話」を聞くことができるかも。阿蘇を走り回ったら、ASOケニーズカフェでひと休みしましょう!

【心もお腹も満腹で幸せ♡ スイーツも美味しいよ♬】

ASOケニーズ・カフェ情報

  • 郵便番号:869-1826
  • 住所:熊本県阿蘇郡高森町河原3113番地1
  • 電話:0967-65-0055
  • 営業時間:AM10:00〜日没まで
  • 定休日:木・金曜(祝日の場合は営業)
  • 要予約(電話でご予約ください)
  • 厳冬期(12月〜2月)は休業(周辺道路凍結の恐れがあるため)

ASOケニーズ・カフェの地図はこちら

ケニー・ロバーツは日本びいきのレジェンド

【ASOケニーズ・カフェの校長室にて…画像提供:ASOケニーズ・カフェ】

前人未到の偉業を成し遂げ、ワールドGPレース界においてレジェンドとなったケニー・ロバーツ。彼はモータースポーツ界の発展に大きく寄与しました。ケニーが望むのはモータースポーツの更なる発展。

そして、ケニーは日本について「日本は素敵な国だ。日本はどこを走っても景色や道が素晴らしい。日本のライダーはもっと(日本をバイクで)走らないと、もったいない!」と絶賛しています。
ライダーのみなさん、ケニーが言うように日本の道をもっと走りましょう。

『キング』と呼ばれたケニー・ロバーツと阿蘇の意外なつながり。
今回は伝説のGPレーサー、元チャンプ…ケニー・ロバーツのお話しでした。

ケニーが好きなら、阿蘇へGO!