業界初のバイクライダー用腕時計MOTO-Rのコダワリは半端じゃなかった

MOTO-R 3針とMOTO-Rクロノグラフ

こんにちは、ワールドウォークの番頭さん、相京です。

あなたはバイクに乗るときに腕時計をしますか?今回は時計業界では始めてバイクライダー用に開発された腕時計。MOTO-Rのお話です。

MOTO-Rを語るにはまずはクラウドファンディングについて説明しなければなりません。難しい説明は省きますが、クラウドファンディングとはアイデアを実現したい人と支援したい人を繋ぐホームページの事です。

バイクライダー用腕時計MOTO-Rはクラウドファンディングサイト「Makuake」にて公開されると目標額の50万円を大きく上回る1228万9600円、支援者数410名という大きな反響を経て商品化に至りました。

この企画を立ち上げたのは数少ない国産腕時計メーカーの一社「KENTEX」。バイクライダー用腕時計「MOTO-R」はどのようにして作られたのか?KENTEX代表取締役、橋本直樹さんにお話を伺ってきました。

バイクライダー用腕時計MOTO-Rが開発された経緯とは?

KENTEX代表取締役 橋本直樹さん

KENTEX代表取締役 橋本直樹さん

――バイクのライダー用腕時計MOTO-Rはどのような経緯で開発がスタートしたのでしょうか?KENTEX社内にライダーがいたとか?

橋本「いえ実は弊社内にはバイク免許を持っているスタッフはいないんです。弊社が生産している腕時計は誰しもが使い勝手の良いものではなく、一部の人にとって使い勝手の良いマニアックな製品です。一部の製品はライダーの皆さんにも使って頂いているのですが話を伺うとバイクに乗る時は邪魔だから時計をしないという方もいたのがショックでライダーの皆さんがバイクに乗る時にも邪魔にならない時計を作りたいと思ったのがきっかけですね」

――なるほど、ではユーザーの後押しを受けて開発がスタートしたということですか?

橋本「もちろんそれもあります。ですが加速度的に計画が進んだのは引田時計店EVESの引田さんとお仕事をご一緒する事があってからです。弊社は物作りの際に使う人から徹底的に聞き取りを行います。引田さんから色々なご縁を頂いた事で計画のスピードがテンポアップしていきました。」

大きな成功をおさめたクラウドファンディングの反応とは?

MOTO-R three-hand

――クラウドファンディングで沢山の支援を集めた事が話題になりましたがユーザーからの反響はいかがでしたか?

橋本「1000万円以上の支援が集まり400名の方が支援を表明してくださいましたが、驚いたのは400名の支援者のうち90名の方からコメントを頂く事ができたことです。それもネガティブなものはなく、全てが好意的なコメントでした。バイクに対するユーザーの熱さを感じましたね」

――コメントは具体的にはどのようなものでしたか?

橋本「今まではバイク好きの旦那、彼氏に何をあげていいのかわからなかったけれど、MOTO-Rはギフトにとても使い勝手が良いです。メディアでの紹介で一目見て打ち抜かれました!すぐに使いたいです。という感じですね。バイクに興味がない女性から大切な人へのギフトとして使って頂けるのは嬉しかったですね。

――メディアはどのような反応でしたか?

橋本「バイク専門雑誌、それとメイドインジャパンの製品を紹介する台湾のウェブメディアなどからも取材の依頼を頂いています」

ライダー用腕時計 MOTO-Rの物作りはどのようにすすんだのか?

KENTEX本社には修理や検品を行うブースがありMOTO-Rをばらした状態で色々解説して頂いた

KENTEX本社には修理や検品を行うブースがありMOTO-Rをばらした状態で色々解説して頂いた

――御社の製品作りは識者やユーザーの声を反映させた物作りを行っていますが今回はどのような方に話を聞いたのでしょうか?

橋本「お名前を出せるのは引田さんからのご紹介で週間バイクTVのMCを担当されている末飛登さんやダートレーサーの大森 雅俊さんなどですが、その他にもワークスのライダーさん、イベントなどでは一般のライダーの声も可能な限り聞き取りしました」

――MOTO-Rの素材や仕様などはどのように決めたのですか?

橋本「識者や一般ライダーの聞き取りの中で出てくる素材で最も多かったのはカーボンとチタンです。どちらも時計業界では使われている素材なので採用するのは難しくなかったのですが、今回の時計は手を出しやすいエントリーモデルとして3万円台で抑えたいという思いがありベゼルにはステンレス、軽量化の為にベゼルと本体の間にはラバーという組み合わせにし、文字版にはカーボンを採用しました。」

――MOTO-Rには振動による時間のずれを防ぐSHOCK DETECTION ICが内蔵されていますが全てのバイクの振動に対応するのでしょうか?

橋本「弊社のフラッグシップモデルは外装パーツと内装パーツの構造で振動による衝撃を防ぐ設計にしています。同じような構造にすれば更に振動の影響を受けにくくはできますがICセンサー制御にする事でローコストである程度の振動に対応する事が出来る設計としています。ハーレーやSR400のような振動が大きいと言われているバイクでは時間がずれるという声があればバリエーションモデルも考えるかもしれません」

MOTO-Rの仕様で最もこだわった点と今後の展開を聞いてみた

細部にまで質感に拘っている

細部にまで質感に拘っている

――MOTO-Rの開発で最も拘ったのはどの点でしょうか?

橋本「質感ですね。文字盤の部分にはライダーの人気も高いウェットカーボンを採用しバンドはラバーと革のハイブリッド素材を採用しています。メインの素材に拘ったのはもちろんですが、例えばこの文字版を見てください。MOTO-Rや弊社のロゴ部分は印刷をしているだけですが、時間の数字部分は薄いプレートを貼り付けその上から印刷してるんです。正確にプレート部分にプリントをするのは難しいのですが立体感をだすことで質感の高さを演出しています。所有する喜びを感じていただけたらと思います」

――今後MOTO-Rの展開はいかがでしょうか?

橋本「エントリーユーザー向けのMOTO-R、そしてバリエーションモデルでクロノグラフ仕様をリリースしましたが、私の今の夢はカスタムできる時計をリリースする事なんです」

――バイクで言えばマフラーやシートなどをカスタムする感覚で時計もカスタムできるようにしたいと?

橋本「そうです。バイクは買ったところからがスタートですよね?自分好みにカスタムしたり使い勝手を良くするために追加でパーツをつけたりすると思います。それが愛着につながっていく部分が絶対にありますよね?時計もデザインをカスタムしたり自分の使い勝手が良くなるチューニングができるようにしたいんですよ。時計を買ったところからスタート。新しいスタンダードを生み出したいですね。」

MOTO-Rは作り手の想いとユーザーの声が詰まった腕時計だった

ふと開発のテーブルに置いてみると使い込まれた工具に妙にマッチする感じがした

ふと開発のテーブルに置いてみると使い込まれた工具に妙にマッチする感じがした

インタビューが終わった後、僕なりにMOTO-Rを使った感想を述べさせた頂きました。その中の一つが重さが気になるというもの。バイクも質感を気にすればABSの外装よりは金属の外装を採用する事になります。

以外とクラシックなバイクが見た目に反して重かったりするのはこのあたりが一因だったりしますが、MOTO-Rも質感に拘ったバイク用腕時計なので、ちょっと重いかな?という印象を受けたのでした。しかしそれを橋本社長に言うと、

「チタンを採用すれば軽くなりますけど価格が一気に高くなる。ベーシックモデルには採用できないけどSPモデルがリリースできればいいですよね!バイクもありますよね?SPモデル」とおっしゃいました。

確かにベースモデルに比べて高級な装備を纏わせたり軽量化に取り組んだSPモデルのリリースは最近の日本車メーカーのトレンドの一つです。橋本社長はMOTO-Rを単発の企画で終わらせるのではなくバリエーションモデルに意欲的に取り組んでいきたいようです。

PROGAUS S769X-04

PROGAUS S769X-04

「例えばこういう真鋳みたいな素材を使ってクラシック感を演出したMOTO-Rよくないですか?相京さんハーレー乗りですよね?ハーレー乗っている人とかどうでしょう?」

うけると思います。

一人のライダーとして僕が感じた事、課題点などはできる限りお伝えさせていただきました。MOTO-Rはライダーの為だけに設計された時計。文句無しにお勧したいですが、今後のKENTEXと橋本社長に期待したいところです。

MOTO-R DETARILカット

ベゼルはディスクローターをイメージ 形状から放熱性の高いウェーブディスク形状を採用している

ベゼルはディスクローターをイメージ 放熱性の高いウェーブディスク形状を採用している

 

裏側にはスポーツタイプのバイクで採用される事の多いエアプレーンキャップのデザインを採用している

MOTO-Rの裏蓋にはスポーツタイプのバイクで採用される事の多いエアプレーンキャップのデザインを採用している

 

クロノグラフモデル文字盤アップ

MOTO-Rクロノグラフモデル文字盤アップ

 

三針モデル文字盤アップ

MOTO-R三針モデル文字盤アップ

 

ハンドル操作の邪魔にならないようにリューズやボタンが3時位置に付いている

MOTO-Rはハンドル操作の邪魔にならないようにリューズやボタンが9時位置に付いている

 

ベルトはオプションでバリスティックナイロンベルトにも変更できる。付け替えはなんと専用工具ではなく六角レンチで可能

ベルトはオプションでバリスティックナイロンベルトにも変更できる。付け替えはなんと専用工具ではなく六角レンチで可能

MOTO-Rを購入する為には

御徒町にあるKENTEX直営ブティック

御徒町にあるKENTEX直営ブティック

MOTO-Rが欲しいという人はKENTEX公式オンラインストア、もしくはKENTEX直営ブティックでも購入可能。インタビュー中に登場した引田時計店や一部の量販店でも確認、購入が可能ということですがバイク用品店でのお取り扱いはまだまだ店舗数的には少ない状態です。※KENTEXホームページでMOTO-Rが展示されている店舗を確認できます。

MOTO-Rのプロモーションを担当する小林さん曰く、販売店舗はバイクのプロ集団であるバイク用品店に限定。更にKENTEXスタッフから直接時計に関して講習をうけた「マスター」が在籍している店舗でのみ行うそうです。

比較的規模の大きいバイク用品店からの問いあわせもあるようですが、マスター不在の店では販売できないので一気に拡販する事はできないそうです。

正直、企業の番頭さんとしては、

「不器用だなぁ」と思うところもあるのですが、丁寧に製品を販売していこうという姿勢が今年で30周年というKENTEXの今日を築き上げてきたのだなと思いました。

店舗奥で作業をしていた時計修理技能士

店舗奥で作業をしていた時計修理技能士

そうそう、元飲食店店長の僕としては店舗スタッフさんの接客の良さも好印象でした。奥で作業していた時計修理技能士さんもメカ好きとしてはシビレマシタ。東京近郊にお住まいなら一度KENTEX直営ブティックに足を運んでみても良いかもしれません。一本の時計を生み出すこと、一本の時計を販売する事へのKENTEXさんのコダワリを感じる事ができるでしょう。

※記事製作協力

株式会社ケンテックスジャパン
製品の貸し出し及び取材協力を頂きました

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